相続って何?

相続って何?相続とは、死亡した人(被相続人)の財産が、その死亡した人と一定の身分関係にある人(相続人)に移転することです。財産というのは、不動産や現金預金、株券といった「プラスの財産」ばかりではなく、借金やローン、未払金など、欲しくない「マイナスの財産」も財産です。

民法で定められた相続人になれる人は、被相続人と一定の身分関係にある人とは、配偶者(妻・夫)、子供(孫・曾孫・・・)、父母(祖父母・・・)、兄弟姉妹(甥姪)に限られ、その相続人になれる人を法定相続人といい、法定相続人なれる順番も決められています。そして、法定相続人がもらえる財産の取り分も決められており、その取り分のことを法定相続分といいます。

相続人になれる人とその順序及びその取り分

相続人になれる人とその順序及びその取り分1
相続人になれる人とその順序及びその取り分2
法定相続人留意点
子(直系卑属)について
子が数人あるときは、法定相続分は均等(頭割り)となる。
非嫡出子(法律上の婚姻関係のない男女から生まれた子)の法定相続分は、嫡出子(法律上の婚姻関係のある男女から生まれた子)の法定相続分の半分となる。
親(直系尊属)について直系尊属が数人あるときは、法定相続分は均等となる。
兄弟姉妹(傍系血族)について
兄弟姉妹が数人あるときは、法定相続分は均等となる。
父母の一方を同じくする兄弟姉妹(半血兄弟姉妹)の法定相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹(全血兄弟姉妹)の法定相続分の半分となる。

被相続人は「遺言」により法定相続人でない人にも財産を与えることができる

財産を相続できるのは通常法定相続人だけですが、遺言をすれば、相続人以外の人に財産を残すことが可能です。遺言によって特定の人に財産を与えることを遺贈といい、遺贈される人を受贈者といいます。 遺贈には、包括遺贈と特定遺贈の2種類があります。 ただし、相続財産には各相続人の最低限の取り分として留保された「遺留分」があり、この部分だけは被相続人でも自分の遺産を自由に処分することはできません。

※遺留分とは?
遺留分とは、法定相続人のうち、配偶者・子・直系尊属に最低限保証された財産の取り分です。 ただし、兄弟姉妹には遺留分はありません。 たとえ被相続人の遺言でもこれを侵害することはできません。
法定相続人のケース

◎遺留分は、請求しないともらえなくなります。
自分の遺留分を侵害している相続人に対して、遺留分の請求をすることを「遺留分の減殺請求」といいます。 遺留分の減殺請求は、遺留分を侵害されていることを知った日から1年以内に行わなければなりません。何もしないまま1年を過ぎると、時効により何ももらえなくなります。

相続に関する手続き

相続手続き

相続税とはどのような税金か?

亡くなった人から受け継いだ財産にかけられる税金です。 亡くなった人から各相続人等が相続や遺贈などにより取得した財産の価額の合計額が、基礎控除額を超える場合、相続税の課税対象となります。 具体的な計算は次表のとおりです。

相続税
相続改正1
相続改正2
相続税2
相続改正3
いったいどの程度変わるのか?
シミュレーションしてみました。

相続改正4

延納について

制度の概要 相続税は、金銭で一時に納付することが原則です。しかし、相続税額が10万円を超え、金銭で納付することを困難とする事由がある場合には、申請により、その納付を困難とする金額を限度として、担保を提供することにより、年賦で納付することができます。 これを延納といいますが、この延納期間中は利子税の納付が必要となります。

延納の要件 次の要件を全て満たす場合に、延納の許可が受けられます。
(1)
相続税が10万円を超えること。
(2)
金銭で納付することを困難とする事由があり、かつ、その納付を困難とする金額の範囲内であること。
(3)
延納税額及び利子税の額に相当する担保を提供すること。(ただし、延納税額が50万円未満で、かつ、延納期間が3年以下である場合には担保を提供する必要はありません。)
(4)
延納しようとする相続税の納期限又は納付すべき日(延納申請期限)までに、延納申請書に担保提供関係書類を添付して税務署長に提出すること。
担保の種類 延納の担保として提供できる財産の種類は、次に掲げるものに限られます。 なお、相続又は遺贈により取得した財産に限らず、相続人の固有の財産や共同相続人又は第三者が所有している財産であっても担保として提供することができます。
(1)
国債及び地方債
(2)
社債、その他の有価証券で税務署長が確実と認めるもの
(3)
土地
(4)
建物、立木、登記された船舶などで保険に附したもの
(5)
鉄道財団、工場財団などの財団
(6)
税務署長が確実と認める保証人の保証
税務署長が延納の許可をする場合において、延納申請者の提供する担保が適当でないと認めるときには、その変更を求められます。
担保提供関係書類の提出期限 納期限又は納付すべき日(延納申請期限)までに延納申請書に担保提供関係書類を添付して提出する必要があります。 ただし、延納申請期限までに担保提供関係書類を提供することができない場合は、担保提供関係書類提出期限延長届出書を提出することにより、1回につき3か月を限度として、最長6か月まで担保提供関係書類の提出期限を延長することができます。

延納の許可までの審査期間 延納申請書が提出された場合、税務署長は、その延納申請に係る要件の調査結果に基づいて、延納申請期限から3か月以内に許可又は却下が行われます。 なお、延納担保などの状況によっては、許可又は却下までの期間を最長で6か月まで延長される場合があります。

延納期間及び延納利子税 延納のできる期間と延納税額に係る利子税の割合については、その人の相続税額の計算の基礎となった財産の価額の合計額のうちに占める不動産等の価額の割合によって、延納期間や利子税の割合が変わります。 なお、利子税の割合は分納期間の開始の日の属する月の2か月前の月の末日を経過する時の日本銀行が定める基準割引率に4%を加算した割合が年7.3%に満たない場合は、次の算式により計算される割合(特例割合)が適用されます。
(算式) 利子税の割合×{(分納期間の開始の日の属する月の2月前の末日を経過する時の日本銀行が定める基準割引率)+4.0%}÷7.3%
※0.1%未満の端数切り捨て

物納について

制度の概要 国税は、金銭で納付することが原則ですが、相続税については、延納によっても金銭で納付することを困難とする事由がある場合には、納税者の申請により、その納付を困難とする金額を限度として一定の相続財産による物納が認められています。

(注)
財産の生前贈与を受けて相続時精算課税又は非上場株式の納税猶予を適用している場合には、それらの適用対象となっている財産は、贈与者の死亡によりその贈与者から受贈者が相続により取得したとみなされることとなっていますが、それらの財産を物納の対象とすることはできません。

物納の要件 次に掲げるすべての要件を満たしている場合に、物納の許可を受けることができます。

(1)
延納によっても金銭で納付することを困難とする事由があり、かつ、その納付を困難とする金額を限度としていること。
(2)
物納申請財産は、納付すべき相続税の課税価格計算の基礎となった相続財産のうち、次に掲げる財産及び順位で、その所在が日本国内にあること。
第1順位 国債、地方債、不動産、船舶
第2順位 社債(特別の法律により法人の発行する債券を含みますが、短期社債等は除かれます。)、株式(特別の法律により法人の発行する出資証券を含みます。)、証券投資信託又は貸付信託の受益証券
第3順位 動産

(注)
 
(1)
後順位の財産は、税務署長が特別の事情があると認める場合及び先順位の財産に適当な価額のものがない場合に限って物納に充てることができます。
(2)
特定登録美術品(美術品の美術館における公開の促進に関する法律第2条第3号に規定する登録美術品で相続開始の時において既に登録を受けているものをいいます。)については、上記の順序にかかわらず一定の書類を提出することにより物納に充てることができます。
(3)
物納に充てることができる財産は、管理処分不適格財産に該当しないものであること及び物納劣後財産に該当する場合には、他に物納に充てるべき適当な財産がないこと。
(注)
自然公園法の国立公園特別保護地区等内の土地(平成23年4月1日から平成26年3月31日までの間に環境大臣と風景地保護協定を締結していることその他一定の要件を満たすものに限ります。)は、物納劣後財産に該当する場合であっても、これを物納劣後財産に該当しないものとみなします。
(4)
物納しようとする相続税の納期限又は納付すべき日(物納申請期限)までに、物納申請書に物納手続関係書類を添付して税務署長に提出すること。
管理処分不適格財産及び物納劣後財産
(1)
管理処分不適格財産
 
次に掲げるような財産は、物納に不適格な財産となります。
不動産
(イ)
担保権が設定されていることその他これに準ずる事情がある不動産
(ロ)
権利の帰属について争いがある不動産
(ハ)
境界が明らかでない土地
(ニ)
隣接する不動産の所有者その他の者との争訟によらなければ通常の使用ができないと見込まれる不動産
(ホ)
他の土地に囲まれて公道に通じない土地で民法第210条の規定による通行権の内容が明確でないもの
(ヘ)
借地権の目的となっている土地で、その借地権を有する者が不明であることその他これに類する事情があるもの
(ト)
他の不動産(他の不動産の上に存する権利を含みます。)と社会通念上一体として利用されている不動産若しくは利用されるべき不動産又は二以上の者の共有に属する不動産
(チ)
耐用年数(所得税法の規定に基づいて定められている耐用年数をいいます。)を経過している建物(通常の使用ができるものを除きます。)
(リ)
敷金の返還に係る債務その他の債務を国が負担することとなる不動産
(ヌ)
その管理又は処分を行うために要する費用の額がその収納価額と比較して過大となると見込まれる不動産
(ル)
公の秩序又は善良の風俗を害するおそれのある目的に使用されている不動産その他社会通念上適切でないと認められる目的に使用されている不動産
(ヲ)
引渡しに際して通常必要とされる行為がされていない不動産
株式
(イ)
譲渡に関して金融商品取引法その他の法令の規定により一定の手続が定められている株式で、その手続がとられていないもの
(ロ)
譲渡制限株式
(ハ)
質権その他の担保権の目的となっているもの
(ニ)
権利の帰属について争いがあるもの
(ホ)
共有に属するもの(共有者全員がその株式について物納の許可を申請する場合を除きます。)
上記以外の財産
(2)
物納劣後財産
 
次に掲げるような財産は、他に物納に充てるべき適当な財産がない場合に限り物納に充てることができます。
地上権、永小作権若しくは耕作を目的とする賃借権、地役権又は入会権が設定されている土地
法令の規定に違反して建築された建物及びその敷地
土地区画整理法による土地区画整理事業等の施行に係る土地につき仮換地又は一時利用地の指定がされていない土地(その指定後において使用又は収益をすることができない土地を含みます。)
現に納税義務者の居住の用又は事業の用に供されている建物及びその敷地(納税義務者がその建物及び敷地について物納の許可を申請する場合を除きます。)
劇場、工場、浴場その他の維持又は管理に特殊技能を要する建物及びこれらの敷地
建築基準法第43条第1項に規定する道路に2メートル以上接していない土地
都市計画法の規定による都道府県知事の許可を受けなければならない開発行為をする場合において、その開発行為が開発許可の基準に適合しないときにおけるその開発行為に係る土地
都市計画法に規定する市街化区域以外の区域にある土地(宅地として造成することができるものを除きます。)
農業振興地域の整備に関する法律の農業振興地域整備計画において農用地区域として定められた区域内の土地
森林法の規定により保安林として指定された区域内の土地
法令の規定により建物の建築をすることができない土地(建物の建築をすることができる面積が著しく狭くなる土地を含みます。)
過去に生じた事件又は事故その他の事情により、正常な取引が行われないおそれがある不動産及びこれに隣接する不動産
事業の休止(一時的な休止を除きます。)をしている法人に係る株式
物納手続関係書類の提出期限 納期限又は納付すべき日(物納申請期限)までに物納申請書に物納手続関係書類を添付して提出する必要があります。ただし、物納申請期限までに物納手続関係書類を提出することができない場合は、物納手続関係書類提出期限延長届出書を提出することにより、1回につき3ヶ月を限度として、最長で1年まで物納手続関係書類の提出期限を延長することができます。

物納の許可までの審査期間 物納申請書が提出された場合、税務署長は、その物納申請に係る要件の調査結果に基づいて、物納申請期限から3か月以内に許可又は却下が行われます。 なお、申請財産の状況によっては、許可又は却下までの期間を最長で9か月まで延長される場合があります。

物納財産の価額 物納財産を国が収納するときの価額は、原則として相続税の課税価格計算の基礎となったその財産の価額になります。 なお、小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の適用を受けた相続財産を物納する場合の収納価額は、特例適用後の価額となります。

物納の再申請 物納申請した財産が管理処分不適格と判断された場合には、物納申請が却下されますが、その却下された財産に代えて1回に限り、他の財産による物納の再申請を行うことができます。 なお、延納により金銭で納付することを困難とする事由がないことを理由として物納申請の却下があった場合には、物納から延納へ変更することができます。

条件付許可 汚染物質除去の履行義務などの条件を付されて物納の許可を受けた後に、許可財産に土壌汚染などの瑕疵があることが判明した場合には、汚染の除去などの措置を求められることとなります。 なお、物納許可後5年以内に上記の措置を求められ、その措置ができない場合には、物納許可が取り消されることがあります。

利子税の納付 物納申請をした場合には、物納財産を納付するまでの期間に応じ、利子税の納付が必要となります。ただし、税務署の手続に要する期間は利子税が免除されます。

農地の相続税の納税猶予について

特例の内容 農業を営んでいた被相続人又は特定貸付けを行っていた被相続人から相続人が一定の農地等を相続し、農業を営む場合又は特定貸付けを行う場合には、農地等の価額のうち農業投資価格による価額を超える部分に対応する相続税額については、その相続した農地等について相続人が農業を営んでいる又は特定貸付けを行っている限り、その納税が猶予されます(猶予される相続税額を「農地等納税猶予税額」といいます。)。 この農地等納税猶予税額は、次のいずれかに該当することとなった場合には、その納税が免除されます。

(1)
特例の適用を受けた相続人が死亡した場合
(2)
特例の適用を受けた相続人が、この特例の適用を受けている農地等(「特例農地等」といいます。)の全部を贈与税の納税猶予が適用される生前一括贈与をした場合
(3)
特例の適用を受けた相続人(特例農地等のうちに都市営農農地等を有しない相続人に限ります。)が相続税の申告期限から農業を20年間継続した場合(市街化区域内農地等に対応する農地等納税猶予税額の部分に限ります。)
 
この場合は、特例農地等の中に都市営農農地等を有していない相続人に限られます。
(注)
 
1
特定貸付けとは、農業経営基盤強化促進法の規定による一定の貸付けをいいます。
2
農地等とは、農地(特定市街化区域農地等に該当するもの及び農地法第32条の規定による耕作の放棄の通知(同条ただし書の公告を含みます。)に係るものを除きます。)及び採草放牧地(特定市街化区域農地等に該当するものを除きます。)、準農地(10年以内に農地や採草放牧地に開発して、農業の用に供するもので一定のものをいいます。)をいいます。特例農地等のうち一定の公共事業のために一時的に転用しているものも農地等に含まれます。
3
農業投資価格とは、農地等が恒久的に農業の用に供されるとした場合に通常成立すると認められる取引価格として所轄国税局長が決定した価格をいいます。
4
都市営農農地等とは、生産緑地地区内にある農地又は採草放牧地のうち一定のものをいいます。
特例を受けるための要件 この特例を受けることができるのは、次の要件に該当する場合です。
(1)
被相続人の要件・・・次のいずれかに該当する人であること。
死亡の日まで農業を営んでいた人
農地等の生前一括贈与をした人
 
死亡の日まで受贈者が贈与税の納税猶予又は納期限の延長の特例の適用を受けていた場合に限られます。
死亡の日まで相続税の納税猶予の適用を受けていた農業相続人又は農地等の生前一括贈与の適用を受けていた受贈者で、障害、疾病などの事由により自己の農業の用に供することが困難な状態であるため賃借権等の設定による貸付けをし、税務署長に届出をした人
死亡の日まで特定貸付けを行っていた人
(2)
農業相続人の要件・・・ 被相続人の相続人で、次のいずれかに該当する人であること。
相続税の申告期限までに農業経営を開始し、その後も引き続き農業経営を行うと認められる人
農地等の生前一括贈与の特例の適用を受けた受贈者で、特例付加年金又は経営移譲年金の支給を受けるためその推定相続人の1人に対し農地等について使用貸借による権利を設定して、農業経営を移譲し、税務署長に届出をした人
 
贈与者の死亡の日後も引き続いてその推定相続人が農業経営を行うものに限ります。
農地等の生前一括贈与の特例の適用を受けた受贈者で、障害、疾病などの事由により自己の農業の用に供することが困難な状態であるため賃借権等の設定による貸付けをし、税務署長に届出をした人
 
贈与者の死亡後も引き続いて賃借権等の設定による貸付けを行うものに限ります。
相続税の申告期限までに特定貸付けを行った人
(3)
特例農地等の要件・・・ 次のいずれかに該当するものであり、相続税の期限内申告書にこの特例の適用を受ける旨が記載されたものであること。
被相続人が農業の用に供していた農地等で相続税の申告期限までに遺産分割されたもの
被相続人が特定貸付けを行っていた農地又は採草放牧地で相続税の申告期限までに遺産分割されたもの
被相続人が営農困難時貸付け(注)を行っていた農地等で相続税の申告期限までに遺産分割されたもの
被相続人から生前一括贈与により取得した農地等で被相続人の死亡の時まで贈与税の納税猶予又は納期限の延長の特例の適用を受けていたもの
相続や遺贈によって財産を取得した人が相続開始の年に被相続人から生前一括贈与を受けていた農地等
(注)
営農困難時貸付けとは、特定貸付けができない場合において、相続税の納税猶予の適用を受けている農業相続人が、障害や疾病等の理由で特例農地等での営農が困難な状態となったために、その農地等について賃借権等の設定による貸付けを行った場合のその貸付けをいいます。
特例を受けるための手続等
(1)
相続税の申告手続
 
相続税の申告書に所定の事項を記載し期限内に提出するとともに農地等納税猶予税額及び利子税の額に見合う担保を提供することが必要です。申告書には相続税の納税猶予に関する適格者証明書や担保関係書類など一定の書類を添付することが必要です。
(2)
納税猶予期間中の継続届出
 
納税猶予期間中は相続税の申告期限から3年目ごとに、引き続いてこの特例の適用を受ける旨及び特例農地等に係る農業経営に関する事項等を記載した届出書(この届出書を「継続届出書」といいます。)を提出することが必要です。
農地等納税猶予税額の納付
(1)
農地等納税猶予税額を納付しなければならなくなる場合
 
次のいずれかに該当することとなった場合には、その農地等納税猶予税額の全部又は一部を納付しなければなりません。
特例農地等について、譲渡等があった場合
 
譲渡等には、譲渡、贈与若しくは転用のほか、地上権、永小作権、使用貸借による権利若しくは賃借権の設定(一定の要件を満たすものは除きます。)又はこれらの権利の消滅若しくは農地について農地法第32条の規定による耕作の放棄の通知(同条ただし書の公告を含みます。)があった場合も含まれます。
特例農地等に係る農業経営を廃止した場合
継続届出書の提出がなかった場合
担保価値が減少したことなどにより、増担保又は担保の変更を求められた場合で、その求めに応じなかったとき
都市営農農地等について生産緑地法の規定による買取りの申出があった場合や都市計画の変更等により特例農地等が特定市街化区域農地等に該当することとなった場合
特例の適用を受けている準農地について、申告期限後10年を経過する日までに農業の用に供していない場合
(2)
納付すべき税額に係る利子税
 
上記(1)に該当して農地等納税猶予税額を納付しなければならなくなった場合には、その納付すべき税額について相続税の申告期限の翌日から納税猶予の期限までの期間に応じて年3.6%(一定の部分は年6.6%となります。)の割合で利子税がかかります。 ただし、この利子税の割合は、各年分の前年11月30日の日本銀行が定める基準割引率に4%を加算した割合が年7.3%に満たない場合には、その年中においては次の算式により計算した割合(0.1%未満の端数切捨て)になります。
 
(算式) 利子税の割合=3.6%又は6.6%×(前年11月30日の日本銀行が定める基準割引率+4%)÷7.3%

山林の相続税の納税猶予について

特例の内容 特定森林経営計画が定められている区域内に存する山林(立木又は土地をいいます。)を有していた一定の被相続人から相続又は遺贈により特例施業対象山林の取得をした一定の相続人(「林業経営相続人」といいます。)が、自ら山林の経営(施業又はその施行と一体として行う保護をいいます。)を行う場合には、その林業経営相続人が納付すべき相続税のうち、特例山林に係る課税価格の80%に対応する相続税の納税が猶予されます(猶予される相続税額を「山林納税猶予税額」といいます。)。

この山林納税猶予税額は、林業経営相続人が死亡した場合には免除されます。なお、免除に際しては、その死亡した日から同日以後6か月を経過する日までに、一定の書類を税務署に提出する必要があります。 また、山林納税猶予税額が免除されるまでに、特例山林について山林経営の廃止、譲渡、転用などの一定の事由等が生じた場合には、山林納税猶予税額の全部又は一部について納税の猶予が打ち切られ、その税額と利子税を納付しなければなりません。 ※この特例は、平成24年4月1日以降に相続又は遺贈により取得する山林に係る相続税について適用されます。

(注)
 
1
「特定森林経営計画」とは、市町村長等の認定を受けた森林法第11条第1項に規定する森林経営計画であって、次の用件の全てを満たすものをいいます。
対象となる山林が同一の者により一体として整備することを相当とするものとして租税特別措置法施行規則第23条の8の4第6項に規定されるものであること。
森林経営計画に森林法第11条第3項に規定する事項(山林の経営の規模拡大の目標及びその目標を達成するために必要な作業路網の整備など)が記載されていること。
イ及びロのほか、森林経営計画の内容が同一の者による効率的な山林の経営を実現するために必要とされる租税特別措置法施行規則第23条の8の4第7項に規定する用件を満たしていること。
2
「特例山林」とは、特例施業対象山林のうち「2 納税猶予を受けるための要件(3)」に掲げる要件を満たす山林をいいます。
3
「特例施業対象山林」とは、被相続人がその被相続人の相続開始の直前に有していた山林のうち相続開始の前に特定森林経営計画が定められている区域内に存するもの(森林の保健機能の増進に関する特別措置法第2条第2項第2号に規定する森林保健施設の整備に係る地区内に存するものを除きます。)であって、次の要件の全てを満たすものをいいます。
被相続人により相続開始の直前まで引き続き特定森林経営計画に従って適正かつ確実に経営が行われてきた森林であること。
特定森林経営計画に記載されている山林のうち作業路網の整備を行う部分が、同一の者により一体として効率的な施業を行うことができるものとして租税特別措置法施行令第40条の7の4第4項に規定する要件を満たしていること。
納税猶予を受けるための要件 この特例の適用を受けるためには、次の要件などを満たす必要があります。詳しくは税務署にお尋ねください。
(1) 被相続人の主な要件・・・被相続人は、次の①~③までのいずれにも該当する人であること。
特定森林経営計画が定められている区域内に存する山林(森林の保健機能の増進に関する特別措置法第2条第2項第2号に規定する森林保健施設の整備に係る地区内に存するものを除きます。)であって作業路網の整備を行う部分の面積の合計が100ha以上である山林を所有している人
次のイからハの事項についてその死亡の前に農林水産大臣の確認を受けていた人
イ 特定森林経営計画の達成のため必要な機械その他の設備を利用できること
ロ 特定森林経営計画が定められている区域内に存する山林の全てについて、特定森林経営計画に従って適正かつ確実に経営及び作業路網の整備を行うものと認められること
ハ 特定森林経営計画に従って山林の経営の規模拡大を行うものと認められること

特定森林経営計画に従って当初認定起算日から死亡の直前まで継続してその有する租税特別措置法施行令第40条の7の4第1項第3号に規定する山林の経営を適正かつ確実に行ってきた者として農林水産大臣の確認を受けてきた人

(注)
「当初認定起算日」とは、特定森林経営計画に係る被相続人(特定森林経営計画につき過去に森林法第17条第1項の規定の適用があった場合にあっては、最初の適用に係る認定所有者等)が市町村長等の認定を受けた特定森林経営計画(森林法第11条第3項に規定する事項が記載された最初のものに限ります。)の始期をいいます。
(2)
林業経営相続人の要件
林業経営相続人は、被相続人から相続又は遺贈によりその被相続人がその被相続人がその相続開始の直前に有していた全ての山林を取得した個人であって、次の①から③までのいずれにも該当する人であること。
相続開始の直前において、被相続人の推定相続人である人
相続開始の時から申告期限(申告期限までに経営承継相続人等が死亡した場合は、その死亡の日)まで引き続き相続又は遺贈により取得した山林の全てを有し、かつ、特定森林経営計画に従ってその経営を行っている人
特定森林経営計画に従って山林の経営を適正かつ確実に行うものと認められる要件として租税特別措置法施行規則第23条の8の4第8項に規定する用件を満たしている人

(3)
特例山林の要件
特例山林は、林業経営相続人が自ら経営を行うものであって、次の①から③までのいずれにも該当するものであり、相続人の期限内申告書にこの特例の適用を受ける旨を記載したものであること。
特定森林経営計画において、作業路網の整備を行う山林として記載されている山林であること
都市計画法第7条第1項に規定する市街化区域内に所在する山林でないこと
立木にあっては、相続開始の日からその立木が森林法第10条の5第1項に規定する市町村森林整備計画に定める標準伐期齢(注1)に達する日までの期間が林業経営相続人の相続開始の時における平均余命(注2)と30年のうちいずれか短い期間を超える場合における立木であること

(注)1
森林法第10条の5第2項第5号の公益的機能別施業森林区域内に存する立木にあっては、租税特別措置法第23条の8の4第3項に規定する林齢をいいます。
2
平均余命とは、厚生労働省の作成に係る完全生命表に掲げる年齢及び性別に応じた平均余命(1年未満の端数を切り捨てた年数をいいます。)をいいます。
3
この特例は、相続税の申告書の提出期限までに相続又は遺贈により取得した山林の全部又は一部について遺産分割がされていない場合には適用できません。
納税猶予を受けるための手続等
(1)
申告の手続
 
この特例を受けるためには、相続税の申告書を期限内に提出するとともに山林納税猶予税額及び利子税の額に見合う担保(特例山林でなくても差し支えありません。)を提供する必要があります。 なお、この特例は、租税特別措置法第69条の5第1項に規定する特定計画山林の特例の適用を受ける場合には適用することができません。
(2)
納税猶予期間中の手続き
 
この特例の適用を受けている林業経営相続人は、山林納税猶予税額の免除又は納税猶予税額の全部について納税の猶予が打ち切られるまでの間、原則として、施業整備機関にあっては当初認定起算日から1年ごとに、施業整備機関の末日の翌日から猶予中相続税額に相当する相続税の全部につき納税の猶予に係る期限が確定するまでの期間にあってはその末日の翌日から3年を経過するごとに、引き続いてこの特例を受ける旨及び特例山林の経営に関する事項を記載した届出書(この届出書を「継続届出書」といいます。)を提出しなければなりません。 なお、継続届出書の提出がない場合には、原則として、この特例の適用が打ち切られ、山林納税猶予税額と利子税を納付しなければなりません。
(注)
 
1
「施業準備期間」とは、当初認定起算日(2(1)(注)参照)からその当初認定起算日以後10年を経過する日までの間にこの特例の適用に係る被相続人について相続が開始した場合における、その相続の開始の日の翌日からその10年を経過する日又はその相続に係る林業経営相続人の死亡の日のいずれか早い日までの期間をいいます。
2
「猶予中相続税額」とは、山林納税猶予税額から、既に確定した税額を除いた残額をいいます。
納税猶予税額の納付
(1)
納税猶予税額を納付しなければならない場合
納税猶予を受けている相続税額は、次の表に掲げる場合に該当することとなったときは、その相続税額の全部又は一部を納付しなければなりません。
(主な場合)
森林経営計画の認定が取り消されたり、継続して認定を受けることができなかった場合
(例)
イ 「山林経営の規模拡大に関する目標」や「作業路網の整備に関する一定の水準」を達成できなかった場合
ロ 山林の経営の全部又は一部を他の者に委託した場合
ハ 他の山林の所有者からの経営の委託(森林経営計画が所在する林班内の山林についての委託に限ります。)の申出を拒んだ場合
など

特定森林経営計画が定められている区域内に存する山林について伐採、造林又は作業路網の整備のいずれも行わない年があった場合
特例山林について、譲渡等又は路網未整備等があった場合
(注) 譲渡等とは、譲渡、贈与若しくは転用のほか、地上権、永小作権、使用貸借による権利若しくは賃借権の設定をいいます。
路網未整備等とは、作業路網の一部の整備が適正に行われていない場合又は一体的かつ効率的な経営に適さなくなった山林となった場合として租税特別措置法施行令第40条の7の4第12項に規定する場合をいいます。

特例山林に係る山林の経営を廃止した場合
所得税法第32条第1項に規定する山林所得に係る収入金額が零となった場合
この特例の適用を受けることをやめる旨を記載した届出書を提出した場合
継続届出書の提出がなかった場合

(2)
利子税
上記(1)により納付する相続税額については、相続税の申告期限の翌日から納税猶予の期限までの期間(日数)に応じ、年3.6%の割合で利子税がかかります。 ただし、各年の前年の11月30日において日本銀行が定める基準割引率に4%を加算した割合が年7.3%に満たない場合には、その年中においては次の算式により計算した割合(0.1%未満の端数切捨て)になります。
(算式)
算式
(例) 日本銀行が定める基準割引率が0.3%である場合・・・・・年2.1%

(注) 日本銀行が定める基準割引率が変動すると利子税の割合も変動します。

納税猶予額の免除 後継者が死亡した場合には、その死亡の日から同以後6か月を経過する日までに、免除届出書を提出することにより、その死亡があったときに納税猶予税額の全部について納付が免除されます。

お気軽にお問合せ下さい!

お問合せ・ご相談

お問合せフォーム